年末年始は例年と違って釣りに出かけるような気分でもなく、家で過ごす持て余す時間が大量にあったため、自作風洞でいろいろなものの空気抵抗を調べていました。
ふと遠投カゴを風洞に入れてみたところ、あることを発見。
照明の関係で上側しか映っていないものの、肉眼では下側も渦巻きが確認できます。毎度のことながら気流の流れは撮影が難しくてクリアに撮れていませんが、2秒、6秒、14秒、21秒あたりが見やすいかと。
この渦巻き、wikipediaの「失速」の説明と同じだったので、ちょっとショック。
これまでの遠投カゴのフォルムはよく見る一般的な形なので、気流の剥離など想像もしていませんでした。気流の剥離によって飛行中のカゴ後端に負圧が発生し失速に繋がります。飛距離のロスはごく僅かなものと思いますが、問題は着水後です。水の密度は空気の800倍なので、カゴのスムーズな沈下のために剥離は無い方が良いです。
ということで、年末年始は低抵抗のデザインと風洞実験に明け暮れていました。その成果がコチラ。
前回の実験に比べて、明らかに渦巻きの発生が抑えられました。カメラが斜めなのはお許しを・・・
最初はシンプルに半月状のカゴで試したのですがコマセ容量が大きく減ってしまいます。実験を繰り返し、半月状にする必要は無いと分かってからベストバランスを探し出すのに何度デザイン&試作を繰り返したことか。。風洞実験に使う線香の匂いが家中浸み付いて家族にはエライ不評でしたが。
上が今回開発した「エアロ遠投カゴ」、下が従来のカゴです。直径は同じですが、エアロ遠投カゴは上カゴ後端を絞り込んでコマセ容量が減ったため、わずかに上カゴの全長を延ばしています。下カゴのカーブもなだらかに改良しました。向かい風や潮目など「もうあと少し!」飛ばしたい時に、飛距離最優先での使用を想定しています。
Super遠投カゴ同様、エアロ遠投カゴも全7色(ゴールド、シルバー、メタリックブラウン、ブラック、キャンディーレッド、アクアブルー、グロー)。素材色なので内部も同色です。4号、6号、8号、10号、12号、15号、18号、20号まで対応。
なかなかカッコいいのではないでしょうか? 真冬の海での試し投げ、キャスト時の感触や飛行姿勢も良好でした。青物シーズンの到来が待ち遠しいですね。
最後に一工夫。錘の号数を識別し易くするため、数字で刻印を入れてみました。