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トップ遠投カゴ(小ウキが使える遠投カゴ)

先日、カゴ&ウキの組合せと飛距離を分析した記事を投稿しましたが、その記事中で最も飛距離の出た2代目プロトタイプ遠投カゴ、ようやく完成しました。

カゴ&ウキの組合せと飛距離の分析
カゴ&ウキの組合せと飛距離の調査結果

エアロ遠投カゴ開発のきっかけになった、風洞実験による一般的形状の遠投カゴの空気の剥離。失速につながる剥離を取り除くためカゴ形状の工夫に着手し、Super遠投カゴ→エアロ遠投カゴを開発。その後はエアロ遠投カゴをベースにコマセ容量にも着目し、ワイド遠投カゴ→ロング遠投カゴの順に発展させてきました。

グロー遠投カゴ
左から、Super、エアロ、ワイド、ロング、2代目プロトタイプ

「カゴの空気抵抗を減らして飛距離を伸ばす改善」はもはや限界と思いながら釣りする日々でしたが、ある日カゴウキとセットで考えればまだ飛距離を伸ばせる余地がありそう、と新たなアプローチの閃きが。

カゴウキは、単体でも形状・重心・羽根の枚数など色々工夫できる箇所があります。そして確実に言えるのは同じフォルムのカゴウキならば小さい号数ほど空気抵抗も小さいということ。小ウキで投げれば飛ぶでしょう!と。

カゴウキのサイズ比較
上から12号、10号、8号、6号

ただ、小さいウキを使うカゴは「軽くて飛距離が出にくい」「小さくてコマセが入らない」などのデメリットがありそうです。このデメリットを改善できないか?

理想は「1.竿にしっかり荷重が掛かるカゴの地上重量」「2.コマセがしっかり入るカゴ形状」「3.小さいウキでも沈まないカゴの水中重量」の全てを兼ね備えるカゴ。2代目プロトタイプカゴではこの3つを追求してトライ&エラーを続けてきました。その成果が先日の飛距離比べの投稿です。一旦改善の余地が思い付かなくなったので2代目プロトタイプ→「トップ遠投カゴ」と名付けてみます。

自分が作るカゴの中では最上スペックなので「トップ」ですが、“地上重量がしっかりあり・コマセもたくさん入るけど・水中では軽い”を一言で表現できるような言葉が見つかったら改名するかも。

まずは「1.竿にしっかり荷重が掛かるカゴの地上重量」。

小さいウキが使えるトップ遠投カゴ

錘8号(3.75g×8=30g)のトップ遠投カゴは地上重量が約65g。号数換算すると65g÷3.75g=17.3号なので、錘負荷18号前後の竿にマッチする感じでしょうか。ちなみに先日投げ較べしたD社の赤いカゴは錘8号で総重量は約67g、S社のカゴは錘8号で総重量は約62gで、3つのカゴともそれほど大きな重量差はありません。

続いて「2.コマセがしっかり入るカゴ形状」。コマセ容量は自分のカゴだけならソフトで計測できますが、今回は市販カゴとの比較をします。原始的に上カゴの穴をふさいで水を貯め、漏れないうちにカップに水を移して重さを測ってみます。

遠投カゴのコマセ量

写真がややピンボケですが48g。カップ重量4gを除くと実質44g入ります。D社の赤いカゴは38g、S社のカゴは33gでした。本物のコマセは水よりやや重いですが、この先は水もコマセも同じ重さとして話を進めます。

カゴ+コマセ満載時に竿に掛かる地上重量は、トップ8号遠投カゴが65+44=109g、D社8号カゴが67+38=105g、S社8号カゴが62+33=95gです。トップ遠投カゴはD社カゴとは単純比較できそうですが、S社カゴとは錘4号分近い差が出る状況です。実釣でのS社8号カゴとの飛距離比較はトップ遠投カゴ6号+6号ウキの一回り小さいセットで行う必要がありそうです。

ちなみに3種類のカゴの外見は下のとおり。分かりにくいかもしれませんが、上カゴの長さはS社>トップ遠投カゴ>D社の順、上カゴの幅はD社>トップ遠投カゴ>S社の順です。

遠投カゴの形の比較

最後に「3.小さいウキでも沈まないカゴの水中重量」です。1.の検証から、コマセ無しでのカゴ単体の地上重量は3つとも同程度でした。では、水中に沈んだ時にウキにかかる水中重量はどうなのか?

まずはスケールにカゴを繋ぐステン棒を貼り付け。ステン棒は4gありますが、0g表示になるようスケールを調整してあります。トップ遠投カゴを沈めてステン棒に引っ掛け、ウキに掛かる重量=水中重量を計測します。

遠投カゴの水中重量
トップ遠投カゴ8号は8号ウキが良さそう

トップ遠投カゴ8号の水中重量は26gでした。錘8号=30gなので、天秤を付ければ8号ウキが丁度良い感じです。

遠投カゴの水中重量
D社8号カゴは10~12号ウキが良さそう

D社8号カゴの水中重量は37gでした。サイトにも「他社製ウキの場合はカゴ号数+2~3号のウキがお勧め」と書かれています。この検証からもトップ遠投カゴ8号の時よりも3号ほど大きなカゴウキ10号~12号が必要そうです。

遠投カゴの水中重量
S社8号カゴは8~10号ウキが良さそう

S社8号カゴの水中重量は29gでした。上カゴ内部にフロートが入っているため、水中重量が軽減されているようです。天秤が加わると、8号ウキか10号ウキかは釣り場のコンディション次第になりそうです。

ちなみにトップ遠投カゴ8号(総重量65g)とほぼ同じ地上重量となるエアロ遠投カゴは12号(総重量63g)。エアロ遠投カゴ12号の水中重量は42gです。42÷3.75=11.2号のため、カゴウキ10~12号がマッチします。ウキは大きくなるもののカゴが細身のためか、前回のテストでは飛距離は2番目の組合せでした。

エアロ遠投カゴ12号

話は戻ってトップ遠投カゴ。ブラックとグローの2種類です。

トップ遠投カゴ

上カゴ内部が暗くて見えにくいのですが、内部にフロートは入っていません。

トップ遠投カゴ

着水後は錘が抜けずに沈下するためコマセ漏れが少なく、スムーズに棚まで到達します。

トップ遠投カゴ

棚に到着した時は下カゴだけが下がります。フロートが入っていなくても、上カゴは浮力素材のため下には下がりません。しゃくらなくても付けエサは潮流で放出されていきます。

しゃくらなくてもエサが放出

グローはカゴ全体が光ります。閉じているため写真には写ってませんが、下カゴの蓋部分も光ります。

グローの遠投カゴ

自分のタックルだとスピニング用の4号竿では6号カゴ、両軸用の4号竿では8号カゴが良い感じ。このカゴだと地上重量が同じ他のカゴの場合より、カゴウキは小さい(=空気抵抗が低い)ものが使えます。オキアミも入れ易いサイズ感のため、真鯛や大型の青物釣りで威力を発揮しそうです!

各カゴの諸元が分かりやすいように、一覧表も更新しました。

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